読了:『編集者をめざすならぜひ聞いておきたい大先輩17人の貴重な話―法政大学エクステンション・カレッジ編集・ライター講座』
素晴らしい内容をもつ本書。法政大学エクステンション・カレッジ編集・ライター講座における、編集の第一人者17人のご講演内容がまとめられています。「編集」は、どの分野にも通じる普遍的な能力だと感じ、以前から無意識的にも意識的にも大切と感じてきました。そして、「編集者」は、一つのプロジェクトマネジャーとしても感じられ、それだけではなく非常に高い実務能力と関係性構築力を持つ職業だと思っていました。
あるときには作家の人生にも触れながら時間をかけて、一文字にまで心を配して、一つの結晶としての作品を生み出す素晴らしさは読んでいてこちらの体温があがるほどです。これを読めば、本が一つの「コンテンツ」ではないことがわかります。関わった人々の手肌と息づかいがどこかに残るかのような「作品」としての体裁に、人はまだ心を寄せる部分があるのかもしれません。
これが、Kindleやnockなどになっていくとどうなるのか。bitやatomでspritやsoulやheartがどこまで感じられるのか。編集の意思の反映の一つでもあった(これまでの)「装丁」がなくなり、ビューアーの中にデザインされた「情報」になることで、感覚的には当然の変化が起こります。この必然的な流れが自分にとってどのような心地なのか、Kindleやnockを生活の中で利用していない自分にはまだわからないところがあります。それら電子ブックも選択肢の一つとして必要な体験と目的に応じて併存して利用していくことになりそうです。